ピピポン星編 上
ピピポン星。
「……これはひどいな。全員一度体をバラバラにされてから別の体にくっつけられてる」
「そうなんです……。なんとかなりませんか?」
「待て。それより至るところにあるバグみたいなものはなんだ?」
「分かりません」
「ワープ機能付きの宇宙船を作れる技術があるのに?」
「はい……」
「そうか。じゃあ、ちょっと解析してみるよ」
「お願いします」
なるほど、そういうことか。
「最近、変な生き物を見たやつはいるか?」
「変な生き物……あっ! そういえば、目がない空飛ぶ魚を見た記憶があります!!」
「そうか。じゃあ、その魚を捕まえてきてくれないか?」
「えっと、今からですか?」
「ああ、そうだ。あっ、今僕が言ったこと忘れていいよ。向こうから来てくれたから」
「グエー」
「『捕獲結界』」
「やりましたね! ところでどうして生け捕りにしたんですか?」
「こいつを解析して出身地や体の構造を知るためだよ」
「なるほどー」
解析の結果、この魚の名前は『バグエ』。好物は空間。主な生息地はバグル星だということが分かった。
「なあ、最近バグル星と何かあったのか?」
「え? あー、うーん、私がバグル星の王子の顔面をパンチしたこと以外、特に何もありませんねー」
「いや、何やってんだよ。そんなことしたら星同士の戦争になるぞ」
「大丈夫です。この星がなくなるとこの宇宙の半分がなくなりますから」
「なるほどー、それに巻き込まれたくないからこんな嫌がらせしてるんだなー」
「そうだと思います」
「いや、原因完全に君だからね? 分かってる?」
「いやいや、あいつが常時ヌメヌメした手で私の体に触れたのが悪いんです」
「あー、それは誰でも嫌がるなー。でも、顔面殴るのはよくないよ」
「すみません、反省してます」
「よろしい。じゃあ、今からこの星にいる『バグエ』をバグル星に送り返すね」
「よろしくお願いします!」
「おう」
うーん、一応、バグル星を解析しておくか。うわあ、この星、他の星にも嫌がらせしてるのか……。命知らずな星だなー。




