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スペースオニグモ

 隕石型の卵がキメラの前に姿を現す。だが、卵の中身はまだ未成熟。攻撃しようにも突撃くらいしかできない。


「フーリン、あいつの相手は僕がする。お前は卵が孵るまで加勢しなくていい、分かったか?」


「ピヨ!!」


「いい返事だ。じゃあ、頼んだぞ」


 僕はキメラの目の下にそのへんの石をぶつけて僕に注意を向けさせた。


「来い! 相手になってやる!!」


「カギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 僕はやつの手足や翼、口を無数の小さな結界で拘束した後、やつを結界に閉じ込め、身動きを取れなくした。


「カギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


「何? 卑怯だと? まあ、そうだな。けど、僕は最初からお前と戦うつもりはないんだよ。その理由はもうすぐ分かる」


「ピヨー!」


 どうやら卵が孵ったようだ。


「よくやった! さぁ、お前の使命を果たせ!! スペースオニグモ!!」


「ミュー!!」


 結界解除。


「さぁ、食事の時間だ。たんとお食べ」


「ミュー!!」


「か、カギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 スペースオニグモは自分たちの星を食らったキメラを生きたままおいしそうに食べた。よかったな、敵討ちができて。


「ミュー!!」


「お前は使命を果たした。好きなように生きろ」


「ミュー!!」


「え? うちに住みたい? うーん、それは夏樹なつきと虎姉にいてみないと分からないなー」


 *


「……というわけなんだけど、いいかな?」


「いいよー」


「問題ないよー」


「そうか。よかったな、スペースオニグモ」


「ミュー!!」


 よかったな、スペースオニグモ。

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