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大丈夫だよ、僕のは見本だから
フーリン(フリカムイの雛鳥)が成長したら数十キロサイズになるからなー。すごくでかい家を作らないとダメだなー。
「うーん、とりあえず普通の鳥の巣を作るか。あっ、巣箱でもいいな」
「ピヨ!」
「え? どっちも自分で作りたい? そうか。じゃあ、僕が見本を作るからお前はそれを参考にしてマイホームを作ってくれ」
「ピヨ!」
よし、こんなものかな。
「えーっと、こっちが木の枝とかで作ったやつでこっちが巣箱だ」
「ピヨー」
「え? どっちも完成度が高すぎて作れそうにない? 大丈夫だよ、僕のは見本だから」
「ピヨー」
「え? 結局、不格好になりそう? いいんだよ、それで。よし、とりあえず何か一つ作ってみようか」
「ピ、ピヨー」
フーリンは小声で返事をすると僕の家の庭に落ちている葉っぱや枝を集め始めた。




