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それは杞憂だ
座敷童子の童子の部屋……。
「で? 気になることってなんだ?」
「ここ最近今まで以上におかしな事件が多発しています。原因不明、誰が何のために事件を起こしているのかも分からなくて正直困惑しています」
「……そうか」
「しかし、原因が私のすぐそばにある可能性があります」
「そうなのか?」
「はい、例えば……私やあなたかもしれません」
「童子、多分それはないぞ」
「私には! 自分が犯人ではないと言い切れる自信がありません! 私が誰かに操られて事件を起こしているかもしれない。その時の記憶がないだけで私はもしかするととんでもないことをしているのかもしれない。だとしたら私はこの家にいるべきじゃない。今すぐ死んだ方が」
僕は彼女を抱き寄せて頭を撫でる。
「童子、それは杞憂だ。今日はもう何もしなくていいからゆっくり休め」
「で、ですが!」
「これは命令だ。おやすみ、童子」
「は、はい、おやすみなさい」
よし、もう直接会いに行こう。僕はもう迷わない。




