じゃあ、今回は一緒に地球を救おう
ヤテベオ(食人植物)、赤い光線。で、次は絵画の具現化。うーん、原因はいったい何なんだろう。
「雅人さん、たった今この現象のモデルになった作品を特定しました。これは」
「……ゴ○ホの『星月夜』」
「正解です。よく分かりましたね」
「父さんが彼のファンだからな。僕が幼い頃によく彼についての話をしていたよ。えーっと、たしか彼はこの絵を書いた翌年に」
「自殺しました」
「だよなー。ということは、これを見ている僕たちもあと一年くらいで死ぬんだな」
「それはまだ分かりません。しかし、これは地球をスッポリ包み込んでいます」
「そうか……この星はラッピングされてるのか」
「監禁かもしれません」
「そうかもな。うーん、じゃあ、とりあえず宇宙に出られるか試してみるよ」
「分かりました。お気をつけて」
「おう。あっ、そうだ。なあ、童子」
「何ですか?」
「僕が明日の夜明けまでに帰ってこなかったら、この家の結界をこの星が爆発しても耐えられるようにしておいてくれ」
「嫌です。そうならないにしてください」
「即答かよ。まあ、やれるだけのことはやってみるよ」
「そうしてもらえると助かります」
「じゃあ、いってくる」
「いってらっしゃい。必ず帰ってきてくださいね」
「ああ、約束するよ。じゃ」
僕が宇宙に向かって飛んでいると宇宙ペンギンたちと合流した。その中には首にスカーフを巻いている隊長さんがいた。
「やあ、隊長さん。また会ったね」
「ギィ! ギィ!」
「え? 早く空を元に戻さないと大変なことになる? そうなのか。えっと、原因は宇宙にある感じか?」
「ギィ!」
「そうか。じゃあ、今回は一緒に地球を救おう」
「ギィ!!」




