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ミントちゃん、優しい……よしよし

 地の鮫の腹の中……。


「ふっふっふ……あとはこのスイッチを押せば究極の植物が誕生する。これでこの世界は私のものだー!!」


「『縮小』」


 僕は文字の力でマッドサイエンティストらしき人物を縮小した。


「な、なんだ!? ボタンがどんどん大きく! いや、違う! 私がどんどん小さくなっているんだ! くそー! 誰だ! 私の邪魔をするのは!!」


「さて、誰だろうね。妖精さんたち助けに来たよ。さぁ、お逃げ」


「や、やめろー! 私からそいつらを奪うなー!!」


「彼女たちはあんたのものじゃない。それと三種の植物の魂がお怒りだ。確実に何かされると思うけど、まあ頑張れ」


「そ、そんな! ま、待て! 話せば分かる! う、うわああああああああああああああああああああああああ!!」


 彼の安否は分からないがおそらく永久に植物の養分にされるだろう。


 *


 夜……僕の部屋の中……。


「ありがとよ! あんちゃん! 今回も努力と根性でどうにかなると思ってたんだが、どうにもならなくて困ってたんだ」


「それなー、私も砂漠にいる時より心を燃やしてたのに無意味だったよー」


「ありがとうございます。あなたのおかげで助かりました。何かお礼をさせてください」


「いらないよ。それより早くここから離れた方がいいぞ」


「どうしてですか?」


「うちの妹が君たちをロックオンしてるからだよ」


「あっ、この視線お前の妹のだったのか。でも、困ったなー。あたしら、しばらく力使えねえんだよ」


「それなー。この状態異常が治るまでどこか安全な場所に泊まりたいなー」


「あなたたち、もしや星の王の家に泊まるつもりですか?」


「ああ」


 どうやらクズの妖精はここに来た時からそうするつもりだったようだ。


「うん」


 どうやらサボテンの妖精もそうしたいようだ。


「いけません! 早く家に帰りなさい!!」


「えー、別にいいじゃねえか。なあ? 星の王」


「ねえ、いいでしょ? 星の王様ー」


「二人ともいい加減にしなさい! さぁ! さっさと帰る準備をしなさい!!」


「別にいいよ。ここには君たちみたいなのたくさんいるから」


「やったー!」


「いえーい」


「そ、そんな……よろしいのですか?」


「うん、いいよ。また誘拐されるよりマシだから」


「で、ですが」


「ミントちゃん、しばらくここでゆっくりしていくといいよ」


「そ、そうですか……。では、しばらくお世話になりま、スゥー」


「おっとっと。あれ? 寝ちゃった?」


「こいつ、弱体化させられる前からあの頭のおかしい人間にミントの香りつけまくってたからな」


「それなー。そんなことしたら逃げられる体力なくなっちゃうのにー」


「それはきっと自分に注意を向けさせるためだよ」


「あー、そっかー、そういうことか。ありがとなー、ミント」


「ミントちゃん、優しい……よしよし」


 ミントちゃんは夜が明けるまでぐっすり眠っていた。クズの妖精とサボテンの妖精は朝までミントちゃんの両サイドで添い寝をしていた。

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