よろしくねー
憑鬼(今は雅人の髪の毛入り人形の中にいる)の封印を解いた一翔は憑鬼が離れたことにより体の主導権を取り戻した。彼の祖父は彼の安否を知ると泣きながら彼を抱きしめた。僕と鬼姫と憑鬼は彼と彼の祖父に再封印するより、僕の家で伸び伸びさせておいた方が管理しやすいことを話した。二人が頭を下げながら「そうしてもらえると助かります。何卒よろしくお願いします」と言ったため、彼女の今後の生き方が決定した。
「ということで、私今日からこの家に住みまーす。よろしくねー」
「ねえ、お兄ちゃん。こいつ信用できるの?」
「憑依といたずらが好きな鬼だからなー。完全に信用するのはまだ無理だなー」
「えー、そうなのー? 信用してよー」
「お兄ちゃんに近づくな! お前がそばにいるとお兄ちゃんが穢れる!!」
「ひどいなー、私そんなに穢れてないよー」
「うるさい! 黙れ! お兄ちゃん、こいつに何かされそうになったら呼んでね。私、いつでも駆けつけるから」
「ありがとう、夏樹。夏樹は優しいな」
「えへへへ、お兄ちゃんに褒められた」
「ねえ、鬼姫。この二人、実の兄妹なのになんで相思相愛なの?」
「考えたら負けよ」
「あっ、そう。ねえ、そろそろ晩ごはんにしようよー。私、おなか空いちゃった」
「そうか。そうだな。じゃあ、晩ごはん作るよ」
「よろしくー」




