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ふぅ……やっと出られた
うちの寺にはとある妖怪を封印している壺がある。俺が知っているのはそれだけ。それが寺のどこにあるのか、どんな妖怪が封印されているのかも分からない。けど、最近それがどこにあるのか判明した。寺の倉庫の隅っこに置いてある木箱の中だ。お札が何枚も貼ってあるから間違いない。それを見つけた瞬間、俺の理性は好奇心にふっ飛ばされてしまったため俺はそれをこっそり自分の部屋に運び、封印を解いた。
「ふぅ……やっと出られた。うーん、でも、こいつの体なんかしっくりこないなー。というか、おなか空いたなー」
「おい! 一翔!! お前、あの壺をどこにやった!!」
誰? こいつ。えーっと、この体の記憶によると……あー、こいつの祖父か。
「女の子の部屋に勝手に入ってこないでよ、エッチ」
「お、お前は!!」
「はぁ……おなか空いたー。あっ、私に何かしようとしたらこいつ殺すから。じゃ、そういうことでー」
「あっ! こら! 待て!! うおっ!! こ、腰が!!」
「あはははは! 人間ってやっぱり貧弱だねー」
さあて、どこに行こうかなー。




