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まあまあ売れた

 糸引き娘の糸を使った服はまあまあ売れた。


「うーん、需要があまりなかったのでしょうか?」


「いや、売れた方だよ。だって、服に無頓着すぎてずーっと同じ服着てるようなやつらが買っていったんだから」


「そうですか。まあ、これからも糸が必要になったら言ってください」


「ああ。あっ、今回君が稼いだお金どこに振り込んでおけばいい?」


「別にいりません。私の糸は無限に出てくるので」


「いやいや、そういうわけにはいかないよ。何か欲しいものとかない?」


「欲しいもの……うーん、特にありませんね。あっ、じゃあ、この糸を人間に」


「それはやめておいた方がいいと思うよ」


「どうしてですか?」


「君の糸を巡って戦争が起きるからだよ」


「戦争? 私の糸にそんな価値はありませんよ」


「あるよ。無限に良質な糸が手に入るんだから」


「そうですかー。じゃあ、これからも妖怪にしか糸を提供しません」


「そうしてもらえると助かるよ。あっ、これから海外の妖怪にも提供しようと思ってるんだけど、どうする?」


「海外ですかー。うーん、国内での売り上げがほぼゼロになったらやってもいいかもしれませんね」


「分かった。じゃあ、これからもよろしくな、糸引き娘」


「はい! 今後ともよろしくお願いします!!」


 僕は彼女の生きがいを『人を驚かせる』から『良質な糸を丁寧に巻いていく』に変えた。問題を解決できたのかは分からないが少しだけ改善できたと思う。

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