表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1358/1941

狐魔流の絶技?

 りん(狐っ娘)の実家……道場……。


「お前か! 俺のりんにあんなことやこんなことをしているやつは!!」


狐魔こま 速人はやと』が僕に言った最初の言葉がそれだった。いったい僕をなんだと思っているのだろう。


「君が想像しているようなことはしてないよ」


「そんなの信じられるか! 待ってろ! りん! 今すぐこいつをぶっ飛ばしてお前を助けてやるからな!!」


「はーくん、そんなことしなくていいよ」


りん! 大丈夫だ! お前がこいつに口封じされていることは分かってる!!」


「あのね、はーくん、私」


「お前はそこで黙ってみてろ! さぁ! 来い! 雅人まさと! 狐魔こま流の絶技でお前を再起不能にしてやる!!」


 狐魔流の絶技? いったいどんな技なんだろう。


「再起不能ね……」


「来ないのか? ならば、こちらからくぞ!!」


 おっ、距離を詰めてきたな。


狐魔こま流、はじまりの型! 『狐咆哮こほうこう』!!」


 うん、まあ、要するに威嚇だな。


狐魔こま流、攻撃の型! 『狐太刀こだち』!!」


 おー、狐の形をした太刀がこっちに向かってくる。これは避けた方がいいかな? いや、乗ろう。


「よっと。うーん、触り心地はそんなに良くないなー。なあ、もう少し狐の毛並みというか、もふもふ感を再現できないのか?」


「黙れ! 今すぐ俺の太刀から降りろ!!」


「はいはい。ん?  どうした? まさか習得しているのは今の二つだけか?」


「そんなことはない! まだまだ技はたくさんある!!」


「そうか。よかった」


「よかった? よかっただと? お前はいったい何しにここに来たんだ!!」


「君がどんなやつなのかを知るために来た。あー、あと、この戦いを通して僕のことを知ってもらえると嬉しいなー」


「ふざけるな! よし、決めた! 俺は今日ここでお前を殺す! りんを大事にしないやつに生きている資格はない!!」


「すごい気迫だね。でも……それだけじゃ勝てないよ」


「黙れー!!」


 ど、どうしよう……旦那様がはーくんに殺されちゃいますー!


「ねえ、お母さん。まさかお父さんが負けると思ってるの?」


「そ、そんなことは……」


「大丈夫だよ。お父さんはあんなやつに負けたりしないよ」


「そ、そうですね! そうですよね! ありがとう、姫凛きりんちゃん。おかげで少し心に余裕ができました」


「それはよかった」


 ねえ、お父さん。お父さんが攻撃に意識を集中すれば、そいつが一歩動く間に百回は殺せてるよね? それなのに、どうして防戦に徹してるの? あっ、分かった。お父さんは今、プロレスラーごっこをしてるんだ。相手の技を全部受けきるつもりなんだね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ