安眠 安眠妖精アミちゃん登場
学校の屋上に行くとそこには体長十五センチほどの妖精がいた。
「んー? 君、だあれ?」
「さて、誰だろうな。それより早くみんなを起こしてくれ。お前がみんなを眠らせたんだろ?」
「何のこと? 私は何もしてないよ」
「そうか。じゃあ、どうしてお前は起きているんだ?」
「あー、ごめん。私、最近ろくに寝てなかったからすごく眠いんだよねー。ねえ、どこかにいいベッドない?」
こいつ、睡眠不足なのか。妖精界も多忙なんだな。
「いいベッドか、そうだな……じゃあ、僕の家に来るか?」
「え? いいの? やったー。じゃあ、私をそこまで連れてってー」
「分かった」
「キュー!」
「え? こんなよく分からないものを家に入れるのは危険だって? キュー、それは僕やお前も該当するぞ」
「キュー!!」
「そうだったー! すっかり忘れてたー! って、忘れるなよ、そんな大事なこと。まあ、別にいいけど」
「あっ! 社長! お疲れ様です! 安眠妖精アミちゃんは今日も元気です!!」
こいつ、大声で寝言言うんだな……。でも、今のでこいつが安眠妖精でアミという名前だってことが分かったな。
「よし、じゃあ、帰るか」
「キュー!」
「おう、帰ろう帰ろう」




