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地球とアース・コアエナジーと火星の女王

 アースちゃん今朝からずーっとぼーっとしてるなー。何か変なものでも食べたのかなー?


「アースちゃん、大丈夫?」


「私はアースちゃんではない。地球だ」


「地球ちゃんか。じゃあ、ちーちゃんって呼ぼうかな」


「好きにしろ。コホン……この星の王、雅人まさとよ。お前に一つ質問してもいいか?」


「ん? なんだ?」


「私の……地球の婿になる気はないか?」


「おい、お前今なんて言った?」


 どこからともなく現れた夏樹なつき(僕の実の妹)がちーちゃんを睨みつける。


夏樹なつき、落ち着け。僕にその気はないから」


「ないのか……。では、せめてお前の遺伝子を」


「あぁん!?」


夏樹なつきー、顔怖いぞー」


「ねえ、お兄ちゃん。こいつ、ドラム缶に入れて海に沈めていい?」


「サラッと怖いこと言うな。ダメに決まってるだろ」


雅人まさとよ、私は本気だ。さぁ、私の手の取れ」


「殺してやる……今すぐお前を殺してやる!!」


夏樹なつき! ダメだ!! 攻撃するな!!」


「止めないで! お兄ちゃん! こいつは今すぐ殺されるべきなんだから!!」


「小娘、お前は雅人まさとの実の妹だろう? なぜ私の邪魔をする?」


「あんたなんかにお兄ちゃんを取られたくないからよ!!」


「そうか。お前は実の兄のことが大好きなんだな」


「ええ、そうよ! 悪い?」


「いや、悪くない。大好物だ。よし、では、こうしよう。お前が実の兄のことを恋愛対象として意識しなくなった時、私はお前の実の兄と結婚する」


「そんな日は絶対来ないよ」


「断言していいのか?」


「うん。だって、私お兄ちゃんのこと未来永劫好きだもん」


 こいつ、言い切ったな。


「そうか。分かった。なあ、雅人まさと


「ん? なんだ?」


「私はお前が好きだ。だが、今はまだ添い遂げることはできない」


「お、おう」


「まあ、その、なんだ。お前に本来なら私だけしか使えない力『アース・コアエナジー』を星の王同士の戦いが終わるまでお前も使えるようにしようと思うのだが、どうする?」


「使えるものは全て使いたいです」


「そうか。では、私と口づけを」


「あぁん!?」


「……する必要はない。ただ私の手を握ればいい」


「分かった」


「ふむ、これがお前の手か。素晴らしい感触だな」


「は、はぁ」


「おい、さっさとしろ、殺すぞ」


「愛されているのだな」


「ええ、まあ」


「そうか。では、無理せず協力して戦うのだぞ」


「はい、分かりました」


 *


 夕方……公園……。


「おお! お前がこの星の星の王か!!」


「まあ、一応」


「そうか! そうか! では、さっそく私と戦ってくれ! まあ、火星の女王であるこの私に勝てる可能性はほぼないがな! はーはっはっはっはっは!!」


 ほぼない……か。ということは絶対勝てないわけではないんだな。


「その槍と盾はアレか? 惑星記号を表してるのか?」


「その通り! こっちがなんでも貫く槍でこっちがなんでも防ぐ盾だ!! どうだ? すごいだろう?」


「はいはい、すごいすごい。で? その槍と盾をぶつけたら、どっちが勝つんだ?」


「それは……分からん!!」


「そうか。じゃあ、今の話とだいたい同じ話から生まれた言葉にお前に教えてやるよ」


「ほう、それはなんだ?」


「それはな……矛盾だよ」


 僕は水銀で作った弾丸を込めた銃を火星の女王に向けると金星のスーパーローテーションを使って撃った。


「……どうだ? 少しは効いたか?」


「……いーや、全然だ!!」


 はぁ……ここから地獄の近接戦が始まるなー。僕、勝てるかなー?

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