表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1307/1941

あのねー

 何の前触れもなく地獄そのものに話しかけられた。うーん、まあ、とりあえず話してみるか。


「君はたしか星の王……なんだよね?」


「まあ、一応」


「なるほど。だからかなー。いや、違うな。君だから……だね」


 なんか一人で納得してるな……。


「えっと、僕に何か用かな?」


「用がないとおしゃべりしちゃいけないのかな?」


「いや、別にそんなことはないけど」


「そう。じゃあ、食堂で話そうよ。ほら、ここ熱気すごいから」


「分かった」


 早く人間界に帰りたいなー。夏樹なつき(僕の実の妹)を待たせてるから。

 僕が食堂にやってくると見知らぬ少女……いや、幼女が席に座った状態で手招きしている。僕はチラッと後ろを見たがそこには誰もいなかった。


「おーい! こっちだよー! 早く来なよー!」


「お、おう」


 地獄そのものに呼ばれるってなんか嫌だな。


「はじめまして。星の王。私は地獄の人間体、奈落ちゃんだよ」


「ど、どうも」


「緊張しなくていいよ。私はただ、君とおしゃべりしたいだけなんだから」


「は、はぁ」


「よし、じゃあ、とりあえず君のこれからについて話そうか」


「これから?」


「うん。えーっと、今のところまだ正妻戦争は起きてないからそれはまあ、いいとして。君以外の星の王がもうすぐ現れる可能性が高いことは知ってる?」


「もうすぐ……なのか」


「うん、そうだよ」


「それはいったいいつなんだ?」


「さぁ? そこまではちょっと分からないなー」


 分からないのか……。


「でも、やつらは確実にこの星に現れるよ。君を倒しにね」


「冥王星からもか?」


「うーん、どうだろう。でも、星の王って星ごとにいるから多分来るんじゃないかなー」


「どうして僕を倒しに来るんだ?」


「それはねー……君が星の王の中で一番弱いからだよ」


「そうか。で? 僕はどれくらい弱いんだ?」


「うーん、そうだなー。君がイワシだとしたら他の星の王はサメだね」


「そうかー。でも、そのイワシが猛毒を持っていたら相打ちにできるな」


「面白い発想だねー。まあ、要するに実際に戦ってみないと勝敗は分からないってことだね。えーっと、じゃあ、最後に一つだけ言っておくね」


「なんだ?」


「君は君のまま強くなってね」


「え? あー、うん、分かった」


「よろしい! じゃあ、これからも頑張ってねー! まったねー!」


「お、おう、またなー」


 大丈夫。君は一人じゃないからきっと勝てるよ。


「どうです? 勝てそうですか? 彼は」


「閻魔ちゃんは相変わらず地獄耳だねー。うーん、どうだろう。でも、きっと勝てるよ。彼は一人じゃないから」


「そうですか。なら、良かったです」


「ねえ、閻魔ちゃん。ちょっと相談があるんだけどいい?」


「何でしょう」


「あのねー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ