ちょうどいい、アレを使おう
地獄の炎を操れるということはそこそこ強いな。
「くらえ! 『火炎弾乱射』!!」
ちょうどいい、アレを使おう。
「『水鏡』」
「な、何! うわー!!」
霊力を集めて作る反射結界より空気中の水分を集めて作るこちらの方が作る時間を少し短縮できる。まあ、性能はまったく同じなんだけどね。
「ねえ、お兄ちゃん。こいつが犯人?」
「いや、違う。こいつはそのへんにいる忍者だ。でも、僕を攻撃したということは僕に知られたくないことがあるんだろう」
「どうする? 吐かせる?」
「いや、いい。すでにこいつの脳にアクセスして情報を入手した。こいつはもう用済みだ」
「そっか。じゃあ、壺の中に入れて海に流すね」
「いや、別にそこまでする必要は」
「なんで? お兄ちゃんを攻撃した時点で死刑確定だよ?」
「夏樹、僕は全然気にしてないからそこまでする必要はないよ」
「そっか。じゃあ、しばらくこの町から出られなくするね」
「うーん、まあ、それくらいならいいかな」
「分かった。えーい!!」
夏樹(僕の実の妹)が忍者を指差すと忍者の額に移動制限ありという文字が浮き出た。
「はい、おしまい。行こう、お兄ちゃん」
「あ、ああ」
うーん、まあ、別に生きていけないわけじゃないけど、これはこれできついなー。




