宇宙のノイズ
ミステリアスクラゲのミクラ(新種のクラゲ)は今宇宙にいる。
「おーい、ミクラー。このまま月まで行くつもりかー?」
「お兄ちゃん、もう帰ろうよ」
「ミクラを放置してか?」
「うん、そうだよ。ダメなの?」
「なあ、夏樹。人間が珍しい生き物を発見したら、まず何をすると思う?」
「え? うーん、捕まえて観察する」
「そうだな。けど、観察しただけでは分からないこともあるよな?」
「あー、まあ、いろんな実験したり解剖したりするかもしれないね」
「だろ? ということで、ミクラを放置して帰るわけにはいかない。もし帰るとしてもミクラと一緒じゃないとダメだ」
「そっかー。分かったー」
「よろしい。おーい、ミクラー。いったいどこまで行くつもりなんだー?」
ミクラは宇宙のノイズに触れるとそれを修復した。
「ミクラ、お前……」
「今日の仕事、終わり。帰る」
『み、ミクラがしゃべった!!』
どうやらミクラには宇宙のノイズを修復できる力があるようだ。うーん、でも、なんでそんな力を持ってるクラゲが地球の海の中にいたんだろう。
「雅人、帰ろう」
「え? あー、うん、分かった」
「夏樹、帰ろう」
「え? あっ、うん、分かった」
うーん、なんで急にしゃべり出したんだろう。不思議なクラゲだなー。




