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プランB

 ああ、今日が終わってしまう……。元に戻りたくない。ああ、どうして私は影として生を受けてしまったのだろう。


「あ、あの……」


「ん? なんだ?」


「元に……戻りたくないです」


「そうか。じゃあ、プランBにしよう」


「プランB?」


「ああ。君に……影に自我がある時点でこうなるだろうと思ってたから今さっき君専用のうつわを作ったんだ。まあ、要するに」


「私は……影に戻らなくていい、ということですか?」


「まあ、そういうことだ。あっ、ちなみにプランAは君を元に戻すやつだ」


「な、なるほど。で、でも、そうなるとこのの影はただの抜け殻になってしまいますよ?」


「それは大丈夫だ。いいか? 君の意識はこれから別のうつわに移す。でも、君が元いた夏樹なつきの影との接続は切らない。つまり、君はいつでも新しい体と元の体を自由に行き来できるようになるってことだよ」


「なるほど。それなら問題ありませんね」


「だろ? まあ、あとは夏樹なつきが了承してくれるかどうかだけど」


「私は別にいいよ。ただし! お兄ちゃんとイチャイチャしたい時は言ってね。いくら私の影でも私の目の前でお兄ちゃんとイチャつかれると殺意がくから」


 あ、相変わらず怖い……!


「は、はい、分かりました」


「よし、じゃあ、君の新しい体を一緒に見に行こうか」


「は、はい!」


「はーい」


 僕は夏樹なつき(僕の実の妹)と夏樹の影と共に夏樹の部屋から出ると影用の体がある展示室を目指して歩き始めた。

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