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わ、笑ってる……
フーリン(フリカムイという巨鳥)は名付け親の夏樹(僕の実の妹)より僕のそばにいることが多い。
「フーリン! こっちにおいでー」
「プイッ!」
「はぁ……どうして懐いてくれないんだろう」
「夏樹、フーリンはメスだ。だから、おそらく」
「お兄ちゃんに付与されてる龍神様の力のせい……」
「多分な」
「そっかー。まあ、でも、反応はしてくれてるから嫌われてはいない、よね?」
「ピヨピヨ、ピヨピヨ」
「こらー! 無視するなー! こっち向けー!」
「夏樹、フーリンは多分お前がそうやって感情的になるところを見たいからわざとやってるんだよ」
「そう、なのかな?」
「きっとそうだよ。なあ? フーリン」
「ピヨピヨ♡」
「こらー! お兄ちゃんの指にほっぺすりすりするなー!」
「ピーヨピヨピヨピヨピヨ!」
わ、笑ってる……。こいつ、結構性悪なんだな。




