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汚部屋 ホコリン登場

 妖怪というものはある日突然現れる。いつ、どこで、どうやって、どのように生まれたのかは誰も知らない。つまり、謎だらけの存在なのである。


ほこりの化け物を見た?」


「はい! そうです! 俺の家にいきなり現れて俺の部屋を汚してるんです! おまわりさん! なんとかしてください!」


「人間ならともかく妖怪を逮捕するのはなかなか難しいんだよねー」


「そこをなんとか! このままだとこの星は埃まみれになってしまいます!」


「あー、分かった、分かった。とりあえず専門家に来てもらうからそれまでお茶でも飲んでゆっくりしててくれ」


「わ、分かりました」


 十五分後。


「こんにちは。埃の化け物を見たのはあなたですか?」


「おまわりさん! こんなガキじゃなくて! もっと頼りになりそうなやつを連れてきてくださいよ!」


「大丈夫。彼は昔から妖怪絡みの事件をいくつも解決してるベテランだから」


「こんなガキがですか?」


「ああ、そうだ。ということでとりあえず君の家まで彼を案内してあげなさい」


「で、でも!」


「大丈夫、大丈夫。さぁ、行った! 行った!」


「うう……今日ほどついてない日は生まれて初めてだ」


「まだ今日は終わっていませんよ。ほら、早く立ってください」


「お前は人間なのか? 妖怪なのか?」


「さぁ? それは僕にも分かりません」


「……そうか」


「でも、僕は困っている人を見捨てるような薄情なやつではありません」


「そうか。じゃあ、とりあえずうちに来てくれ」


「はい、分かりました」


 交番から数分歩くと彼が住んでいるアパートに着いた。


「うわ! 俺の部屋から埃が漏れてる!!」


「あー、もしかしてあなたの部屋って汚部屋だったりします?」


「違う! 俺の部屋はただ物が多いだけだ!!」


「最後に掃除をしたのはいつですか?」


「さ、三年くらい前かな?」


「そうですか。では、そろそろあなたの部屋の中に入れてください」


「それは別にいいけど、本当に大丈夫なのか?」


「大丈夫です。僕、そこそこ強いですから」


「そ、そうか」


 彼がそう言うと、突然彼の部屋の扉が開かれ、中から巨大な埃の塊が現れた。


「ホーコーリーン」


「で、出たー! あいつだ! 俺の部屋を汚してるのは!」


「そうですか。じゃあ、とりあえず水をかけてみますね」


「水? あんなデカブツに効くのか?」


「さぁ? でも、何もやらないよりかはマシでしょ?」


「そ、そうだな」


 こいつ、楽しそうだな。怖くないのか?

 さあて、どうやって無力化しようかなー。

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