殲滅魔獣?
土竜は黒いモノリスを破壊しようとしているが、攻撃時のみに展開される全方位バリアにより土竜の攻撃は全て無効化されている。
「土竜! お前はどうしてそれを破壊しようとしているんだ?」
「これはよくないものだ! やつを起こしてしまう!!」
「やつ?」
「富士山に封印されている殲滅魔獣のことだ!!」
「殲滅魔獣? それはいつから封印されているんだ?」
「地球が地球を守るために作った存在だから地球が生まれた時からいる!!」
「そうか。あー、たしかにデータにあるな。でも、今は富士山の中にあるホテルで寝てるぞ」
「……え?」
「えーっと、やつにとってはマグマが温泉かつ飲み物で岩が主食なのか。へえ、すごいな。どういう体の構造してるんだろう」
「じゃ、じゃあ、もしかして俺が一番うるさかったってことになるのか?」
「まあ、そうなるな」
「や、やってしまった……。すまない、昔祖父から聞いた話を思い出して勢いで出てきてしまった。許してくれ」
「そうか。じゃあ、このモノリスが原因で出てきたわけじゃないんだな?」
「いや、それもある。それからは特殊な電波が出ているからこの星にとってはあまりよくない」
「そうか。じゃあ、調査が終わったらすぐに退けてもらおう」
「そうしてもらえると助かる」
「教えてくれてありがとう。じゃあなー」
「ああ!」
話が通じるやつでよかったー。
「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「アレ、お兄ちゃんが来てからずっとお兄ちゃんの方見てたよ」
「アレ? アレって黒いモノリスのことか?」
「うん」
「そうか。ということはアレはメスなのかな?」
「だろうねー」




