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お兄ちゃんタクシー
朝の五時過ぎ。黒いモノリスがある草原の地中から体長三十メートルの土竜が現れた。
「うん、まあ、予想通りの展開だな」
「す、すみません! すぐに上にこのことを報告します!!」
「分かった。あっ、ライムさんはここにいてください。あとは僕がなんとかするので」
「え? なんとかって、どうするのですか?」
「とりあえず落ち着かせます。それが無理そうなら少し力を使います」
「わ、分かりました。お気をつけて!」
「はい。あっ、夏樹も一緒に来るか?」
「うん! 行く!!」
「そうか。あっ、目的地に着くまで僕の背中でゆっくりしてていいぞ」
「わーい! やったー! お兄ちゃんタクシーだー!」
「お兄ちゃんタクシーか。妹しか乗れなさそうだな」
「うん、そうだよ! それより早くしないとモグラちゃん町の方に行っちゃうよ!」
「そうだな。じゃあ、行くか」
「うん!!」




