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……待って
あっ、いた。ケイちゃん(水の精)だ。
「なあ、ケイちゃん。そろそろ童子と仲直りしてくれないか?」
「プイッ!」
宙に浮いているケイちゃんは僕が何を言ってもその場から動こうとしない。うーん、困ったなー。
「なあ、ケイちゃん。ケイちゃんは童子のこと嫌いか?」
「……」
「童子はお前が思ってる以上に真面目で不器用で素直じゃないけど、お前といる時はいつもニコニコ笑ってるの知ってるか?」
「……」
「別に無理やり仲直りさせるつもりはないよ。ただ、あいつがあんな風になるのは珍しいからこの状況が長引くと多分あいつはどんどん自分を責めまくると思うんだ」
「……」
「言いたいことはこれで終わりだ。じゃあ、おやすみ」
「……待って」
「ん? なんだ?」
「あの、その……仲直り、したい」
「それは僕じゃなくて童子に言ってやれ」
「分かった」
彼女はそう言うと家の中に入っていった。良かった、なんとかなりそうだ。




