タイムカプセルの中には……
タイムカプセルの中には『愛沢 西樹』の子どもの頃の写真がたくさん入っていた。
「うわあ! 懐かしい。というか、私ちっさ!」
「そりゃあ子どもの頃の写真だからね。ん? この写真なんか他のと違うな」
「どれどれ? あっ、これかー。これは私のおばあちゃんが死ぬ前にうちで撮った写真だよ。えーっと、たしかお父さんとお母さんはこの日も仕事だったから写ってないんだよねー」
「へえ、そうなんだ。でも、この写真だけ他のより画質いいな」
「え? あー、そういえば、そうだね。どうしてだろう」
「ふむ。ねえ、この写真触ってもいい?」
「いいよー」
「ありがとう」
僕の手が写真に触れると写真に写っている彼女のおばあちゃんが僕の目の前に現れた。おばあちゃんは僕にあることを伝えると消えてしまった。
「どうしたの? まさっち。そこに誰かいるの?」
「うん、いたよ。君のおばあちゃんが」
「え? それ、本当?」
「本当だ」
「へえ、いいなー。なんで私には見えなかったんだろう」
「それはきっとおばあちゃんが君を愛しているからだよ」
「そっかー。で? おばあちゃん、何か言ってた?」
「言ってたよ」
「なんて?」
「今は言えない」
「えー! なんでー! 教えてよー!!」
「今はまだその時じゃないんだ」
「その時? その時っていつ?」
「そうだな……明日になったら話すよ」
「明日かー。うん、いいよ。ただし! それ以上は待てないよ!」
「分かった。よし、じゃあ、そろそろ帰るよ」
「え? 泊まっていきなよ」
「若い男女が同じ部屋にいたら子どもができるぞー」
「子どもかー。私はまさっちの子どもならいくらでも……あっ! い、今の忘れて! じゃあ、また明日!!」
「え? あ、ああ、また明日」
彼女は僕を自分の部屋から追い出すとすぐに部屋の扉を閉めた。顔真っ赤だったな。風邪でもひいたのかな?
私、なんであんなこと言っちゃったんだろう。もしかしてこれが恋ってやつなのかな?




