ま、まだ私の願いを叶えてもらってないぞ!
僕はまず彼女たちに自己紹介をした。その後、彼女たちの要望に応えていった。朝までコースにはならなかったが、いろんな娘たちと話せたため結構楽しかった。
「ふわあ……おはよう、雅人」
「あっ、おはよう。よく眠れたかな?」
「ああ。ん? 私の部屋にたくさんいたたくさんの私はどうした?」
「全員の要望に応えたら消えたよ」
「な、何!? それは本当か!!」
「ほ、本当だよ。というか、なんでそんなに驚いてるんだ?」
「お前以外に全員の要望に応えられたやつがいないからだよ! いったいどんな魔法を使ったんだ?」
「魔法なんか使ってないよ。僕はただ、みんなとよく話した後みんなが望んでいることを実行しただけだよ」
「そうか。ということはお前は私から生まれた私と戦って勝利したんだな?」
「ん? あー、あの戦うのが好きな娘か。打撃の威力と超人的なスタミナが自慢だったみたいだけど動きが単調だったから倒しやすかったよ」
「なるほど」
「えっと、結局君の病気はもう治ったのかな? 治ってないのなら」
「いや、いい。きっとあいつらはもう出てこないから」
「そうなのか?」
「ああ」
「ところであの娘たちって君の願望だったりする?」
「え? あー、まあ、そうだな。きっと過去に構ってほしい時に構ってくれなかった私がたくさんいて、それが私の中から出てきたんだと思う」
「なるほど。まあ、とにかくなんとかなってよかったよ。じゃあ、僕はこれで」
「ちょ、ちょっと待て!」
「ん? なんだ?」
「ま、まだ私の願いを叶えてもらってないぞ!」
「え? あー、そういえば、そうだね。えっと、それで君はいったい何がほしいのかな?」
「……くれ」
「え?」
「わ、私を抱きしめてくれ」
「分かった。えっと、僕の方からした方がいいかな?」
「そうしてもらえると嬉し……いや! 助かる」
「そっか。分かった。じゃあ、するね」
あー、こいつの体温ちょうどいい。毎日こいつと抱き合って寝られたら幸せだろうなー。
「薪宮さん、顔がとろけてるよ?」
「東子でいい。あー、幸せー」
彼女は数分間、その場で幸せに笑っていた。よし、これで美人四天王のうち二人の病気を治したぞ。この調子で治せたらいいなー。




