つらら女
町を凍らせた犯人は町の広場にいた。
「つらら女、君はなぜこんなことをしたんだ?」
「私は昔から疑問に思っていた。なぜ行方不明者が年々増加しているのかと」
「あー、なるほど。つまり君は見てしまったんだね。行方不明者たちの末路を」
「ああ。それにしても人間とは恐ろしいものだな。親が子を売り、それを買うやつらは全員変態で使えなくなったらコンクリートで溺死させる。なあ、少年。なぜこんなことが許されているんだ? 警察とやらは何をしているんだ?」
「木を隠すなら森の中。つまり警察が見ていないところで悪いことをしているんだよ」
「そうか。では、一旦この星を氷の星にしてしまおう」
「まあ、待て。君の力はきっとこれから役に立つ。だから、とりあえずこの町を元に戻してくれ」
「この氷は私の願いが叶うまでこのままだ」
「え? そうなのか?」
「ああ、そうだ」
「そうか。じゃあ、君にぜひ紹介したかった人を紹介するのやめるよ」
「待て」
「ん? なんだ?」
「その人物を紹介してくれ」
「じゃあ、まずこの町を元に戻してくれ」
「ダメだ。まず、その人物について詳しく教えてくれ」
「教えたら町を元に戻してくれるのか?」
「それは聞いてから考える。さぁ、早く言え。早く言わないと氷漬けにするぞ」




