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これからイタズラしにくくなるなー

 休日の朝、夏樹なつき(僕の実の妹)のおはようのキスで目覚めた僕が最初に目にしたのは夏樹なつきの頭上にある数字だった。その数字はゼロ。うちにいる住人の頭上にも数字があったが全員ゼロだった。これはいったい何をカウントしているのだろう。


「うーん、老若男女問わずゼロのやつは必ずいるな。えーっと、三桁が数人で二桁が一番多いな。あとはだいたい一桁だ」


「ねえ、お兄ちゃん。それって何かを経験すると増えるんじゃないかな?」


「なるほど。うーん、でも、それだけじゃまだ分からないな」


「そっか。じゃあ、ゼロは放置しようよ」


「なんでだ?」


「うちにたくさんいるからだよ」


「そうか。よし、じゃあ、一桁の人に共通点がないか調べてみるか」


「うん!!」


 うーん、今のところ共通点はあまりないな。でも、だいたい中学生くらいになると一桁の人がちらほら現れるな。


「……これって誰かを殺した数とかじゃないよな?」


「もしそうなら鬼姫ききちゃんのだけすごいことになると思うよ」


「そうだな。じゃあ、ちょっといろんなデータと照合してみようかな」


「そっか。じゃあ、私ちょっとジュース買ってくる」


「おう、分かった。気をつけるんだぞ」


「はーい」


「えっと、この町の住民のデータといろんなデータを照合してっと。あとは完全に一致するものが出てくるのを待つだけだな」


「ただいまー。何か分かったー?」


「おかえり。いや、まだだ。それにしても今日はいい天気だなー」


「そうだねー」


「あっ」


「どうしたの?」


「一致したデータ見つかった」


「本当! 見せて! 見せて!」


「あー、でも、これは見ない方がいいかもしれないぞ」


「えー、なんでー?」


「えっとだなー、世の中には別に知らなくてもいいことがあるんだよ」


「そっか。じゃあ、私が一発で当ててあげるよ」


「え? そんなことできるのか?」


「できるよ。お兄ちゃんの顔に書いてあるから」


「え? それ、ホントか?」


「嘘だよ。でも、私はお兄ちゃんの妹だからそういうのすぐ分かるよ」


「そ、そうなのか?」


「うん、そうだよ。じゃあ、言うねー。それはズバリ! 経験人数!!」


「……正解だ」


「だと思った。で? この町で一番多いのは誰なの?」


「うーん、人じゃないな。あっ、こいつリリスだ」


「は? なんでそんなのが日本にいるの?」


「さぁ? でも、まあ、多分こいつを見張っておけってことなんだと思うよ」


「そっか。じゃあ、これからお兄ちゃんのことユニコーンって呼ぶね」


「やめなさい」


「はーい、ごめんなさーい」


 あーあ、居場所バレちゃったー。まあ、いっか。遅かれ早かれこうなることは分かってたし、見つかっても特になんともないから。でも、これからイタズラしにくくなるなー。どうしよう。

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