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桜子、もう夕方ですよ

 元処理班担当の座敷童子『桜子さくらこ』。アリに負けそうなくらい貧弱な体とふわふわの髪の毛が特徴。普段はマイペースでよく昼寝をしているが、一旦スイッチが入ると標的の心が砕けるまで攻撃を続ける座敷童子というより獣のような存在。私が生を受けるまで彼女は間違いなく座敷童子で最も強い存在でした。処理班に過剰戦力扱いされてからは人間の家族と一緒に楽しく暮らしているようですが、何かあったら困るので久しぶりに様子を見に行きましょう。

 夕方……桜子さくらこが住んでいる家の寝室に敷いてある布団付近。


桜子さくらこ、もう夕方ですよ」


「……うーん、だれー?」


「私です。童子わらこです」


「あー、童子ちゃんかー。久しぶりー」


「お久しぶりです。最近、何か変わったことはありませんか?」


「ないよー。むにゃむにゃ……」


「あなたは相変わらずマイペースですね」


「まあねー。あっ、そうだ。ねえ、今童子ちゃんが担当してる家にすっごく強いのがいるって噂聞いたんだけど本当?」


「それはもしや雅人まさとさんのことですか?」


「ふーん、その子雅人くんって言うんだー。で? 童子わらこちゃんはその子のこと好きなの?」


「好きです」


「へえ、そうなんだ。じゃあ、ちょっと見に行こうかなー」


「忘れたんですか? あなたがここから出るにはこの家の家族全員の許可が」


「許可ならもうもらってるよ。永久にね」


「なっ! あなた、まさか!!」


「なーんちゃって。私、標的以外にそんなことしないよー」


「本当ですか?」


「本当だよー。信じてー」


「……今のところ半信半疑です」


「えー、なんでー」


「あなたが普通の座敷童子よりズル賢いからです」


「褒め言葉として受け取っておくよ。えっと、今その子家にいる?」


「いません」


「じゃあ、私が今から雅人まさとくんの家に行っても大丈夫だよね?」


「はい、大丈夫です」


「そっか。じゃあ、帰ってきたらまたここに来てよ。面白いもの見せてあげるから」


「はぁ、そうですか。では、私はこれで」


「うん、まったねー」


 童子ちゃん、相変わらず真面目だなー。でも、なんかちょっと雰囲気変わってたなー。雅人まさとくんと一緒に暮らしてるからかな? いいなー、私も雅人まさとくんの家に住みたいなー。

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