文明レベル
あっ、ラブリン(スライム型宇宙人)だ。こんな夜中にリビングで何してるんだろう。
「どうだ? この星の文明レベルは」
「おいしい食べ物がいっぱいあるので私は今とても幸せです!!」
「そんなことはどうでもいい。それより文明レベルの話だ」
「はぁ、そうですか。うーん、まあ、文明レベルは低い方だと思います。誰かを見下してないと安心できないやつがたくさんいますし、過去から何も学んでいない連中もいますし、それに」
「それに?」
「食べるためでも何かに変換するのでもなく、同じ種族が毎日たくさん殺されています。この星は近い将来誰もいなくなります」
「ふむ、そうか。報告ご苦労。今日はゆっくり休みたまえ」
「はーい」
ふぅ……終わったー。さあて、風呂に入って寝るか。
「ねえ、ラブリン」
「うわああああ! って、なあんだ、雅人さんでしたか。もうー、びっくりさせないでくださいよー」
「今の何? ラブリンは探検家だよね? なんで報告してたの?」
「うーんと、それはですね……私が銀河調査局の一員だからです」
「なるほど。で、どうかな? 太陽系第三惑星は」
「うーん、自分で自分の首を絞めてることに早く気づいてほしいなー、なーんて」
「僕もそう思うよ。でも、主観じゃなかなか気づけないんだよ」
「そういうものですかねー」
「そういうものだよ」
「えーっと、できればこのことは」
「もちろん内緒にするよ。まあ、そのことを知ってもきっと誰も君をこの家から追い出さないと思うよ」
「どうしてそう思うんですか?」
「この家にはちょっと変わった存在しかいないからだよ」
「そうですかー。それならいつバレても大丈夫そうですね」
「そうだねー」




