二人って本当に兄妹?
昼休み……屋上……。
「あー、おなか空いたー。お弁当食べようーっと」
「こんにちは。となりいいですか?」
「うん、いいよー。ところで雅人くんって彼女いるの?」
「いませんよ。そういう未知さんはいないんですか?」
「いないよ。というか、誰かと本気で付き合ったことないなー。でも、君となら長続きしそうな気がするんだよねー」
「そうなんですか?」
「そうだよー。ねえ、ちょっとでいいから付き合ってみない? お試しでいいから、ね? ね?」
「お試しですか……」
「ねえ、お兄ちゃん。そいつと付き合うの?」
「付き合うつもりはないよ」
「ガーン!!」
「ごめんなさい。でも、そうしないと夏樹が寂しがるので」
「寂しいのもあるけど私にはお兄ちゃんしかいないから誰かにとられたくないんだよ」
夏樹(僕の実の妹)は僕の背後から抱きつくとそのまま僕をギュッと抱きしめた。
「うーん、二人って本当に兄妹?」
「どうしてそう思うんですか?」
「いや、なんか兄妹というより半身同士みたいな感じだから」
「半身同士。なるほど、あなたにはお互いに足りないものを補っているように見えるんですね」
「そうそう。まあ、別にそれがいけないわけじゃないから気にしなくていいよ」
「はぁ、そうですか。ところでこれからこの学校でやっていけそうですか?」
「うーん、どうだろう。まあ、君が卒業するまではいるつもりだよ」
「そうですか。なら、頑張って一緒に卒業しましょう」
「うん!! あっ、雅人くんのたこさんウインナーもらっていい?」
「ダメ」
「い、痛いよ、夏樹ちゃん。髪で手首縛るのやめて」
「じゃあ、他のにして。私これ好きだから」
「あっ、そうなんだー。それならそうと先に言ってよー。うーん、じゃあ、ミートボールもらっていい?」
「うん、いいよ」
「あっ、それはいいんだ。基準がよく分からないなー。あー、おいしい」
「じゃあ、僕も何かもらいましょうかね」
「ダメ。お兄ちゃんは私のお弁当食べて」
「え? あー、うん、分かった」
夏樹ちゃん、予想以上にブラコンだなー。安易に近づくと刺されそう。




