シロナガスクジラエンペラーとセイクリッドダイオウイカ
マリアナ海溝……マーメイドフィールド内……。
「『追尾髪』!!」
「『アクアストーム』」
マーメイドフィールドの中にいなくても僕と夏樹(僕の実の妹)は海の中でも生きられるが、人魚は自分にバフをかけるためにそれを展開している。それにしても海の中でこんなに暴れて大丈夫なのかな? まあ、こうなったのはテレポート装置がまだ未完成で座標がランダムなせいなんだが。
「あんた、お兄ちゃんをどうする気なの!!」
「さて、どうしましょう。うーん、とりあえず結婚しましょうかね。あー、それからたくさんの子どもに囲まれながら幸せな日々を送ります」
「そんなことさせない! というか、そんなの絶対に許さない! 私のお兄ちゃんはずっと私のそばにいないとダメなんだから!!」
「あなたのお兄様はいつか誰かと結婚できますが、それはあなたではありません。なぜなら、あなたは彼の実の妹だからです」
「だとしても! 私はあんたよりお兄ちゃんのことを愛してる! だから、あんたの好きにさせるわけにはいかない!!」
「そうですか。では、今すぐ海の藻屑になってください。もちろん拒否権はありません」
「あっ、そう。でも、消えるのはあんたの方よ。さぁ、今すぐ泡になって消えてしまえ!!」
「くらえ! 『特大螺旋髪』!!」
人魚は夏樹の技を反射する。
「『アクアミラー』」
「『多重壁髪』!!」
夏樹はそれを防ぐと人魚めがけて突撃した。
「『突撃型螺旋髪』!!」
「『アクアトルネード』!!」
『はぁああああああああああああああああああああああ!!』
いよいよ決着かと思われたその時、シロナガスクジラエンペラーがそれを阻止した。
「『カラミティアクアブラスト』」
『う、うわああああああああああああああああああああ!!』
「二人とも大丈夫か!!」
「未来の星の王よ。姫様がお前と会いたがっている。私についてこい」
「いや、今それどころじゃ」
「あの二人なら大丈夫だ。セイクリッドダイオウイカがなんとかしてくれる」
「そ、そうなのか?」
「ああ。だから心配する必要はない。さぁ、私についてこい」
「わ、分かった」




