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太刀魚隊長
涼しい風が吹く休日、人魚は護衛と共にやってきた。おー、全員浮遊してるな。もしかして全員、舞〇術を習得してるのかな?
「お久しぶりです。私の愛しの王子様。約束通り、遊びに来ました」
「あー、うん、いらっしゃい」
「貴様! 親しき仲にも礼儀ありという言葉を知らぬのか!!」
今ので怒るのか。ん? でも、よく見ると顔がちょっと赤いな。あー、なるほど、そういうことか。
「太刀魚隊長、このお方に何かしたらあなたは今日限りでクビですよ」
「ガーン!! そ、そんなー」
「失礼しました。こう見えて根は優しいのでどうかお許しください」
「あー、うん、大丈夫だよ。えっと、どうする? このへん散歩する? それとも」
「あなたの実家を見てみたいです」
「え? あー、うん、別にいいよ。えっと、お手をどうぞ、お姫様」
「あら、ありがとう。私の愛しの王子様」
あの人魚、お兄ちゃんしか見てない……。絶対お兄ちゃんの遺伝子目当てだ。でも、大丈夫。私の目が黒いうちは誰ともそういうことさせないから。




