私、無害なので!!
夏樹(僕の実の妹)、許可してくれるかなー。
「うちに住みたいのなら夏樹……僕の妹にそのことを伝えないといけないんだけど、どうする?」
「大丈夫です! 私、無害なので!!」
記憶を消せる消しゴムを持ってる時点で有害だと思うのだが。まあ、とりあえず話してみるか。
「そうか。えーっと、今から夏樹を呼んでもいいか?」
「呼んだら来るんですか?」
「さぁな。でも、多分来ると思うから心の準備をしておいてくれ」
「はい、分かりました」
「えっと……夏樹ー、ちょっと来てくれー」
「はーい!!」
「うわっ! 地面からなんか出てきた!!」
「地面というか、いろんな空間とつながってる穴だよ。ところで小人さんはお兄ちゃんのこと好き?」
「え? あー、まあ、嫌いではないですね」
「そっかー。じゃあ、住んでいいよー」
「え? 本当ですか?」
「うん。あっ、でも……お兄ちゃんに手を出そうとしたらフグのエサにするから。分かったー?」
「は、はい、分かりました」
あー、これはブラコン拗らせてる人ですね……。
「じゃあ、帰ろっか。お兄ちゃん、一緒に帰ろう」
「ん? そこの穴から帰れるんじゃないのか?」
「これは緊急時以外使っちゃダメなんだよー」
「そうなのか?」
「うん、そうだよー」
まあ、嘘なんだけどね。
「そうか。じゃあ、一緒に帰るか」
「うん!!」
うーん、この兄妹なんかちょっと変ですねー。何が変なのかは分かりませんが、とにかく変です。




