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小人

 最近、急に何かを忘れる人が増えている。原因はよく分からないが放っておくと少なからずストレスを感じてしまうため、どうにかして解決しなければならない。


「被害者に共通点はないのか……。そうかー」


 僕がそんなことを考えながら道を歩いていると頭に何か当たった。


「あー、まずい! 失敗しちゃった!! どうしよう!!」


 声の主は僕の足元にいた。うちの高校の女子の制服を着ている直径五センチほどの小人はその場で僕の顔を見上げている。


「あー! 見つかってしまいました! えーっと……と、とりあえず逃げましょう!」


「いやいや、逃がすわけないでしょ」


 僕が両手で彼女を捕まれると彼女は僕の手の中で暴れ始める。


「へ、変なところ触らないでください! 通報しますよ!!」


「いや、僕はただ君が僕に何をしようとしたのかきたいだけなんだが」


「あ、あなたに知る権利はありません!!」


「そうか。じゃあ、小人好きの知り合いに君のことを報告するね」


「ま、待ってください! 私はまだ誰とも付き合ったことがないんです! ですからそんな変態さんに私を売るようなことはしないでください!!」


「うーん、それは君の行動次第かなー」


「わ、分かりました! 今から言いますからとりあえず私を解放してください!!」


「分かった」


 僕が彼女を解放すると彼女は僕の腕をつたって僕の肩に座った。


「おい」


「なんですか?」


「僕は君に僕の肩に座っていいなんて言ってないぞ?」


「別にいいじゃないですか。減るものじゃないんですから」


「それはまあ、そうだけど」


「えーっと、最初から聞きたいですか? それとも途中から聞きたいですか?」


「あー、えーっと、最初と途中の始点を教えてくれないか?」


「最初は私が生まれる少し前からで途中は私が生まれた日からです」


「ごめん。もう少し始点を現在に近づけてくれないか?」


「分かりました。では、昨日の晩ごはんの話からしましょう」


「それ、僕の知りたいことと関係あるのか?」


「ないです」


「あー、じゃあ、僕が知りたいことだけ教えてくれ」


「分かりました。えー、古来より我々小人族は世界のバランスを保つために身を粉にして働いてきました。しかし、この星にはなぜか王がいません。故にこの世界はいつまで経っても安定しないのです。そこで! 我々は星の王以外には効くあるものを作りました!! それは!!」


「それは?」

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