太陽蜘蛛
龍神様はお父さんの体を元に戻すと見えない力で太陽生まれ太陽育ちの蜘蛛を握り潰そうとした。
「はいはい! ストップ!! ストップ!!」
「邪魔をするな、絡新婦」
「ちょっと雅人ー、なんで種族名で呼ぶの? いつもみたいに虎姉って呼びなさいよ」
「黙れ」
「えー、なんでそんなこと言うのよー。はっ! もしかしてこれが反抗期ってやつ!?」
「違います。それと今、お父さんの体の主導権は龍神様のものなのでしばらくお父さんは目を覚まさないと思います」
「ふーん、そうなんだー。教えてくれてありがとう。えっと、とりあえずこいつをいじめるのやめてもらえませんか?」
「ダメだ」
「どうしてですか?」
「こやつはこの体を傷つけた。故に今からこやつを握り潰す」
「雅人はその程度で怒ったりしませんよ。あなた、強くて偉いくせに短気なんですね」
「なんだと?」
「なんですか? やるんですか?」
「お二人とももうやめてください! 結果的に私もお父さんも無事なんですからもういいじゃないですか!!」
「……まあ、そうだな」
「そうだねー。よし、じゃあ、早くこいつ解放して、龍神様」
「よかろう」
「わーい! ありがとう! 龍神様ー! 何かお礼させてー」
「いらん。とっとと失せろ」
「はーい! ほら、行くよ。太陽蜘蛛」
「……はい」
蜘蛛がしゃべった……。まあ、私は少し先の未来から来てるから知ってるんだけどね。えーっと……このあと何が起こるんだっけ?




