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少し黙っていろ、小娘

 やつは常に熱気を放っている。やつが固有空間を展開していなければ今頃このあたり一帯火の海になっていただろう。


「こいつ……いったいどこから……」


「お父さん! 危ない!!」


 少し先の未来からやってきた僕の娘はやつが口から出した高温の糸のようなものから僕を遠ざけるために僕を突き飛ばした。


「なっ……!」


 まずい! このままだと娘の命が危ない!! 何か、何かないか! この状況を打破できるものは!! あっ! そうだ!


「入れ替え!!」


 僕は文字の力で彼女と僕の位置を入れ替えた。よし、これなら彼女を守れるな。それは僕の体を熱で溶かしていく。ああ、これは終わったな。


「……よかっ……た……」


「お父さん……どうして……。私ならあれくらい平気なのに」


「実の娘が傷つくくらいなら……僕が傷ついた方がマシだからだ」


「だからって! 太陽に住んでる蜘蛛の糸をまともにくらう必要ないよ!!」


「大丈夫……。きっと、なんとかなる、から……」


「お父さん? お父さん! お願いだから目を開けて! ねえ、お父さん! お父さんってば!!」


「少し黙っていろ、小娘」


「こ、この声は……! 龍神様!!」

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