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クローバーの絨毯

 どこかで誰かが泣いている。あっちか? いや、こっちか? いや、そっちか?


「お父さん、あっちだよ」


「あー、そっちか。ありがとう」


「どういたしまして」


 少し先の未来からやってきた僕の娘はおそらく僕と同等かそれ以上の力を有しているため、結構頼りになる存在である。


「おー、クローバーの絨毯だ」


「ですねー」


 雲の上にあるクローバーの絨毯を少し進むと両手で顔を隠している白髪ロングの美少女がいた。


「ねえ、君。君はどうして泣いているんだ?」


 彼女は僕と目が合うとその場で飛び上がった。


「な、ななな、なんでこんなところに人間がいるんですかー!」


「違うよ。僕は人の形をした何かだよ。で、こっちの美幼女は僕の未来の娘だ」


「どうもお父さんの愛娘です♡」


「え、えーっと、情報量が多すぎてさっぱり分かりません」


「分からなくていいよ。僕たちは君を助けるためにやってきただけなんだから。ねえ、君はどうして泣いているの?」


「あー、えーっと、自分の名前を忘れてしまったせいで力を制御できなくなってしまったんです」


「あー、だから、こんなにクローバーがあるのか」


「クローバー? 何です? それ」


「何って僕たちの足元にある植物の名前だよ。あっ、シロツメクサって言った方が分かるかな?」


「……シロツメクサ。そう! それです! それが私の名前です!! どうして今まで忘れていたんでしょう!!」


「そうか。答えは割と近くにあったんだね」


「そのようです! ということで私はこれで!! あー! お礼に四葉のクローバーを差し上げます!!」


 彼女が僕たちの手を握り、ぱっと開くとそこには四葉のクローバーがあった。


「ありがとう。大切にするよ」


「私も大切にします!!」


「そうしてもらえると助かります。では、またどこかでお会いしましょう!!」


 彼女はそう言うとどこかに飛んでいってしまった。

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