……はぁ?
少し先の未来からやってきた僕の娘と一緒に散歩をしていると彼女はこんなことを言った。
「もし、未来があなたが予想していたものと違っていたらどうします?」
「未来なんてそんなものだろ」
「そうですね。けれど、過去を変えれば未来を変えられるかもしれませんよ?」
「そうかもしれないな。けど、僕たちにできるのは今を変えることだけだよ」
「今、ですか」
「ああ。例えば、僕が足元にある小石を踏まずに歩くと結果的に靴の寿命は少し伸びるだろ? もっと分かりやすく言うと日々の生活習慣が健康寿命の増減を左右する、かな」
「そうですね。それは分かりやすい例えです。さすが私のお父さんです。では、ごほうびに少しだけ未来のことを教えてあげますね」
「え? いいのか?」
「ええ。近い将来そうなることは確定しているので」
「そうか。で? 君のいる未来はいったいどうなっているんだ?」
「人類が妖怪に宣戦布告したことで人類対妖怪の戦争が始まります」
「……え?」
「ですが、それは一分で決着します。あなたのおかげで」
「そ、そうなのか?」
「はい、そうです。だって、あなたは私の父であり人間の闇の管理者でありこの星の王なのですから」
「そっか。で、今はそれの後始末というか、残党の処置をどうするか考えていると」
「まあ、そんなところです。けれど、そんなことよりもっと大きな戦争が起きます」
「もっと大きな戦争? それはいったいなんだ?」
「正妻戦争です」
「……はぁ?」




