1133/1941
私は……誰?
夏樹(僕の実の妹)、お前は今どこにいるんだ?
「……お兄ちゃん」
「夏樹!」
僕が自室の窓を開けるとそこには白い長髪が特徴的な夏樹がいた。なぜ髪の色が黒から白に変わっているのか、なぜ宙に浮いているのか、僕にとってそんなことはどうでも良かった。なぜなら、最愛の妹が見つかったからだ。しかし、彼女が僕の妹ではないことに気づくと僕は彼女が何なのか知りたくなった。
「なあ、君はいったい誰なんだ?」
「……分から、ない。私は……誰?」
「もしかして記憶がないのか?」
「……?」
「それすらも分からないのか。でも、君はこうして僕のところにやってきた。ということは君と僕は何かしらの縁があるってことだ」
「そう、なのかな……」
「きっとそうだよ。まあ、とにかく中に入りなよ」
「分かった」
さてと、これからどうしたものかな……。




