MK
自宅の門扉の前……。
ん? なんか誰かに見られてる気がするなー。気のせい、かな? 数秒後、それは気のせいではなかったことが発覚する。
真上から赤い光線がやってきたからである。僕がそれを防ごうとするとランランとリンリン(世界最強のキョンシー)がそれを手で受け止めた。
「ちょ、二人とも大丈夫か?」
『問題ない! 少しやけどしただけだ!!』
「いや、やけどというか手が焦げてるぞ。あっ、もう治った。すごいな」
『ふっふっふ……まあ、一応、世界最強のキョンシーだからな。これくらいできて当然だ!!』
上空五百メートル付近。
「マスター、目標の周囲に護衛が二人います。このまま任務を継続しますか?」
「やれ! やってしまえ!! やつがいる限り、私の世界征服の邪魔になる!! さぁ! やれ!! MK!!」
「イエス、マイ、マスター。確殺スナイパーライフル、チャージ完了まであと……」
『落ちろ!! 天使もどき!!』
「……っ!!」
「どうした! 何が起こった!? 応答しろ! MK!!」
「マスター、先ほどの護衛がいつのまにか空中にいます。飛行ユニットを思い切り蹴られました。痛いです」
「そうか。痛かったのか。まだまだ調整が必要だな。それで? まだやれそうか?」
「損傷軽微。任務続行可能」
「分かった。では、やれ!! MK!!」
「イエス、マイ、マスター」
うわあ、あいつらやっぱりすごいなー。なんというか海を泳いでいるみたいだ。
「雅人さん、あなたはだいたい女性のそばにいますね」
「あっ、童子。ただいま」
「おかえりなさい。それよりあれは何なのですか?」
「さぁな。でも、僕の命を狙ってる刺客だってことは分かるよ」
「そうですか。どうやら今回は私の出番はなさそうですね」
「だな。あいつらホント強いよ。さすが世界最強のキョンシーだ」
「ですね。あっ、そろそろ終わりそうですね」
あちこち損傷した武装と共に傷ついた少女が落ちてくる。僕が彼女を受け止めると彼女は僕にハンドガンの銃口を向けた。
「しんで……くだ、さい」
「撃っていいよ。そんなんじゃ死なないから」
彼女は引き金を引く前に気を失った。
「二人ともやりすぎだぞ」
『すまない』
「うん、まあ、一応手加減はしてくれてたから別にいいよ。よしよし、今修理してやるからなー」




