表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1105/1940

意外と優しい

 休日……昼……帰り道……。


「あっ、先生だ! せんせー!」


「あっ、ギンちゃんだ」


「ギンちゃん? 誰?」


「え? あー、えーっと、ほら、世界中に神経毒をばら撒いたイソギンチャクむすめだよ」


「あー、あのか」


 夏樹なつき(僕の実の妹)はそう言うとこちらに向かってくる彼女のじーっと見つめ始めた。


「先生! こんにちは! あれ? この、誰?」


「え? あー、えーっと、僕の妹の夏樹なつきだよ」


「へえ、先生妹いたんだー」


「何よ」


「ううん、何でもないよー。ただ、見た目と精神年齢が一致してないなーと思って」


「それは……ほら、あれよ。私はこの姿が気に入ってるから」


「嘘つかなくていいよ。いつまでも先生の妹でいたいから、大人の姿を見られたら幻滅されると思ってるからそんな幼児体型なんでしょ?」


「お前……!!」


「あれ? もしかして図星?」


「二人ともそのへんにしておけ。で? ギンちゃんはこんなところで何してるんだ?」


「うーんとねー、忘れちゃった! あっ、そうだ! ねえねえ、先生の家ってこの近くにあるのー?」


「え? あー、まあ、そうだな」


「そっかー。じゃあ、今から遊びに行ってもいい?」


「え? あー、まあ、僕は別にいいけど」


夏樹なつきちゃんは?」


「お兄ちゃんに何もしないのなら別にいいわよ」


「やったー! ありがとう! 夏樹なつきちゃん! 夏樹ちゃんは意外と優しいんだねー!」


「……一言余計なのよ」


「なんか言ったー?」


「いや、別に」


「じゃあ、先生の家まで競争しよう! よーい、ドン!!」


「ちょ! 道路で走ると転んだ時、結構痛いぞー」


「大丈夫ー! 私、自分の毒で痛いのなくせるからー!」


 うわあ、幼いけどやっぱりあのも妖怪なんだなー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ