大悪魔オーマ
休日……昼……。
僕と夏樹(僕の実の妹)が散歩していると一条先輩が現れた。先輩は僕があいさつする前に僕を微塵切りにした。あれ? なん、で……。
「お兄ちゃん! お前! いきなり何を……!」
「いやあ、やっぱり人間は知人の前だと油断するなー。これでしばらく遊んで暮らせそうだ。あっ、ちなみにこの刀には細胞分裂を停止させる呪いがかけられてるから、そいつの体は一生そのままだぞー」
……っ!! そ、そんな……。どうして……どうしてこんなことに。いや、今はそんなことどうでもいい。それより早くこいつを倒さないと。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。私がきっとなんとかするから」
「なんとか? 無理無理。その呪いは一生消えねえよ。ほら、とっととおうちに帰りな」
「お前を倒したら帰るよ」
「倒す? お前が、この大悪魔オーマ様をか?」
「ああ」
「そうか。じゃあ、やられる前にやるとするか!!」
やつは化けの皮を剥ぐと醜い悪魔の姿になった。
「悪魔フィールド展開!! 『滅びの間』!!」
「なっ……! お兄ちゃんの体がどんどん腐っていく!!」
「そうそう、俺様の攻撃でダメージを受けた後、この空間に入れるとみーんなそうなっちまうんだよ。いやあ、弱い弱い」
「そうか。で? お前の雇い主は誰だ?」
「は? そんなの言うわけ」
私は自分の黒い長髪を硬化させると例の刀を持っている方の腕を切り落とした。
「お、俺様の腕があああああああ!! てめえ! いきなり何しやがる!!」
「さっきのお返しだ。ほら、早く言えよ。じゃないと今度は微塵切りにするぞ」
こ、こいつ! ただの二口女じゃねえ!! いったい何者だ!!
「わ、分かった! 今から言うからこれ以上攻撃しないでくれ!!」
「分かった。それと分かってると思うが、嘘をついたらお前の命はないと思え」
「わ、分かった! 約束する!! だから、そんな怖い顔しないでくれ!!」
「それはできない。ほら、とっとと話せ。じゃないと、もう片方の腕も切るぞ?」
「ひぃいいいいい!! 分かりました!! 話します! 全部話します!! ですから、これ以上ひどいことしないでください!!」
「そういうのいいからとっとと話せ」
「はいー!!」
くそー! 情報と違うじゃねえか! なんで俺様よりこんな小娘の方が強いんだよー!!




