表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1086/1940

神通力

 ランランとリンリンは自分たちの技をくらってしまった。どうやら、やつが使用した『龍神の反撃』は自分がくらった技を相手にくらわせる技のようだ。ランランとリンリンがやつに放った技は殺生技『心臓潰し』。つまり、二人の心臓は今……。僕が二人の現状を予想した時、仰向けで倒れているランランとリンリンが急に目を覚ました。


『……よっと!! ふっかーつ!!』


「うわっ! びっくりした! というか、なんで二人とも生きてるんだ?」


『キョンシーは動く死体だからだ!!』


「あー、そうか。そういえば、二人ともキョンシーだったな」


『ただのキョンシーではない! 世界最強のキョンシーだ!』


「お、おう」


「ちっ、しぶといやつらだ。まあ、いい。次で決めればいい話だ」


『おい、龍神! 一つ質問してもいいか?』


「なんだ?」


『お前のその体はお前の世界にいる雅人まさとのものだということは知っているが、お前の体の中身つまり雅人まさとの精神は今どこにあるんだ?』


「眠っているよ。われがこの体の中に作った空間の中でな」


『何? そんなのほぼ永眠じゃないか!!』


「そうだな。だが、そうしないと雅人まさとは王にはなれない。なぜだか分かるか?」


『分からん!!』


「理性だ! こやつの理性が王の力を拒むからいけないのだ! それさえなければわれはこんなことをせずに済んだのだ!!」


『そうか。つまり、お前は自分の思い通りにならなかったから無理やり雅人まさとの精神を自分の空間に閉じ込めたのだな』


「違う!!」


『違わない! お前は雅人まさとを自身の手であやめたのだ!!』


「黙れええええええええええええええええええええええ!!」


 龍神の放つオーラが僕の部屋の空気を震わせている。やつはそのオーラを右手に集中させると必殺の一撃を放った。


「『龍神の逆上』!!」


『これはさすがにまずいな。仕方ない、神通力を解放しよう。龍神よ! ね!!』


「そ、そんな……! このわれがキョンシーごときに負けるというのかー!!」


『ああ! そうだ!! というか、さっさと元の世界に帰れ! そして二度と私たちの前に現れるな!!』


「う、うわああああああああああああああああああああ!!」


 二人は神通力で僕の部屋にある姿見の中にやつを押し込んだ。これでもう二度とやつはこの世界にはやってこない。


『見たか! 雅人まさと! これが私たちの実力のほんの一部だ!!』


 あれでほんの一部なのか……。


「す、すごいな。神通力使えるのか」


『キョンシーになってから三百年ほど経っているからな! これくらいできて当然だ!!』


「へ、へえ、すごいなー」


 今さらっと年齢特定できそうな発言しなかったか? うーん、まあ、いいや。


「それよりありがとう。おかげで助かったよ」


『礼を言われるほどのことはしていない! これくらいできて当然だ!!』


 いや、今すぐ龍神を追い払えって言われてできるやつってそんなにいないから。


「そ、そうなのかー」


 こいつら敵にしたくないなー。よし、これからも護衛してもらおう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ