殺生技!
ランランとリンリンは僕と一緒に僕のベッドで寝ている。僕を護衛してくれているようだが、この家には座敷童子の童子が作ってくれた強力な結界がある。それはこの家やこの家の住人に危害を加える者を弾いてしまうため、侵入するのは非常に困難だ。だから、護衛なんて必要ない。けど、二人の耐久力と戦闘力は本物なんだよなー。よし、もし今晩何か起きた時に僕を護衛できたらこれからも護衛してもいいということにしよう。
僕がそんなことを考えていると僕の部屋にある姿見から龍神に精神と肉体を乗っ取られている僕が現れた。
「えっと、僕に何か用か?」
「そうか。この世界の雅人はまだこの星の王になっていないのか。よし、では、我がお前の理性を引っこ抜いてやろう」
『ふざけるな!』
先ほどまで寝ていたはずのランランとリンリンが霊力を拳の形にしたものを同時に放つ。それはやつの胸部に直撃した。
『そんなことしたら世界が滅びるぞ!!』
「そんなことはない。さぁ、早くそこを退け」
『断る!!』
「キョンシーごときが我に逆らうか。よし、では、今すぐあの世に送ってやろう。『龍神の進撃』!!」
「二人とも避けろ!!」
『護衛対象を守れない護衛など死んでいるのと同じだ! 故に! 私たちは避けない! くらえ! 殺生技! 骨砕き!』
霊力を拳の形にして放った一撃はやつの腹に直撃した。その直後、やつの全身の骨が砕け散った。
「ほう、少しはやるようだな……」
やつは一度肉の塊になると一瞬で全身の骨を再生した。
「だが、我はお前たちより遥かに強い。故にお前たちに勝ち目はない」
『いいや! そんなことはない! 世界最強のキョンシーに不可能なことなどない!!』
「そうか。では、今ここで証明してみるがいい」
『望むところだ!! 殺生技! 心臓潰し!!』
「……『龍神の反撃』」
な、なんだ? なんだかものすごく嫌な予感がする。
「二人ともダメだ! 今すぐ攻撃するのをやめろ!!」
「もう遅い! 死ねええええええええええええええええ!!」




