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永久破滅拳!!

 昼休み、僕は自称世界最強のキョンシー、ランランとリンリンと戦ったが決着はつかなかった。まあ、二人とももう死んでるから致命打をいくら受けても関係ないんだよなー。


「二人ともこの続きは放課後にしないか?」


『なぜだ!』


「なぜって僕は高校生だから午後の授業に出ないといけないんだよ」


『そうか。分かった。では、私たちはそれまでここで待つことにする。逃げるなよ! 雅人まさと! 必ず来いよ!』


「おう。じゃあ、放課後までおとなしくしてろよー」


『ああ!!』


 うーん、あの二人の体のどこにもお札がないんだよなー。もしかして世界最強のキョンシーっていうのは自称じゃなくて通称もしくは正称なのかな? うーん、まあ、いいや。とりあえず午後の授業に集中しよう。

 放課後、僕はランランとリンリンをキュー(丸みを帯びている黒いキューブ型の空間。なぜか自我がある)の中に招待した。


「ここなら思う存分戦えるぞ」


『そうか! では、行くぞ!! やー!!』


 双子の連携はそこそこ厄介だが、動きが単調なので防ぐのは容易だ。けれど、一撃でもまともにくらえば即死級の攻撃が豪雨のように襲いかかってくるから、おそらくほとんどの人間は二人には勝てないだろう。


「なあ、二人はいつから旅をしているんだ?」


『分からん! しかし、私たちは常に強者を求めている! 故に私たちは世界中を旅している!!』


「そうか。それで? 二人の目標は何なんだ?」


『この星で一番強いキョンシーになることだ!!』


「この星で一番かー。じゃあ、その次は?」


『宇宙最強だ!!』


「そうか。その次は?」


『この世で一番強くなる!!』


「おー、なりたいじゃなくてなるのかー」


『ああ、そうだ! しかし、お前や他のやつらを倒さなければ私たちはこの星最強のキョンシーにはなれない! 故に! 私たちはそろそろ決着をつける!!』


「そうか。でも、僕は負けるつもりはないよ」


『そうか! だが! お前は私たちには勝てない! なぜなら、お前は私たちがまだ使っていない技を一つも知らないからだ!!』


 ランランとリンリンは合掌すると同時にこう言った。


『秘技! 不可視のしん!!』


 その直後、二人の体は見えなくなった。まあ、光学迷彩みたいなものだろう。でも、体は消せても霊力は消せてないな。


『これで終わりだ! 永久破滅拳!!』


 僕は二人のこぶしが当たる前にその場でしゃがんだ。


『なっ! なぜだ! なぜ私たちの位置が分かった!!』


「さぁ? どうしてだろうな。それじゃあ、終わりにしようか。えいっ」


『はにゃ!?』


 僕が二人にデコピンすると二人は『不可視のしん』を解除した後、しりもちをついた。


「すまない。ちょっと強すぎた。大丈夫か?」


『大丈夫だ。それより、お前強いな! どうだ? 私たちの婿むこにならないか?』


「僕は高校卒業するまで誰とも結婚する気はないよ」


『そうか。では、その高校とやらを今すぐ卒業しろ!!』


「卒業するのに必要な単位が足りてないからそれはできない」


『そうか。では、その足りない単位をさっさと取れ!!』


「一年のうちに取れる単位は決まってるから無理だ」


『そうか。では、その時が来るまで待とう! それとその時まで誰にも負けるなよ!!』


「それ、結構難しくないか? うーん、まあ、負けない努力はするよ」


『うむ! では、今日からお前のうちに居候させてくれ!』


「え? なんでだ?」


『強者のそばにいれば、その強さの秘密を知ることができる可能性があるからだ!』


「うーん、まあ、そうだな。でも、うちにはいろんなのがいるぞ?」


『私たちは一向に構わんッッ』


 なんで、どこぞやの海王のセリフを知ってるんだ……。


「そうか。じゃあ、今日からよろしくな。ランラン、リンリン」


『おう!!』

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