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 妖怪『トラウマ』。恐ろしい相手だった。もう二度と戦いたくないな。


「レイナ、帰るぞ。おーい、レイナー。聞いてるかー?」


「……なんで……どうしてそんなこと言うの?」


 どうしてレイナ(白髪ロングの幼女だが宇宙人である)は涙目になってるんだろう。


「どうしたんだ? もしかして僕が怖いのか?」


「彼女は今、君に否定されているからね。泣くのは当然だよ」


「トラウマ、お前まさかレイナにも力使ったのか!!」


「僕は悪くないよ。君の近くにいた彼女が悪いんだよ」


「お前、もうしゃべるな」


「おー、怖い怖い」


 僕はレイナに座敷童子の童子わらこからもらった厄除けのお守りを彼女ににぎらせた。


「レイナ、今お前の目の前にいるのは誰だ?」


「……お、お兄さん……」


「ああ、そうだ。えっと、今、お前は僕に否定されているのか?」


「私の知ってるお兄さんは……そんなことしない……」


「そうか。じゃあ、そいつはいったい誰なんだろうな」


「こんなのお兄さんじゃない。消えろ! 偽物!!」


 彼女の平手打ちが僕の頬に命中する。僕の皮膚は悲鳴を上げたが、僕は悲鳴を上げなかった。


「レイナ、大丈夫か?」


「あれ? 私、今まで何して……。ん? お兄さんのほっぺた少し赤くなってる。なんで?」


「さぁ? どうしてだろうな。よし、じゃあ、帰るか」


「待って。こいつ、どうする?」


「ほっとけ。そいつは『龍神の波動』を受けたから、もう誰かを傷つけることはできない」


「どういうこと?」


「あー、つまり、誰かを傷つける行為を禁止したんだよ」


「へえ、それなら安心だね」


「だといいんだがな……」


「え?」


「いや、なんでもない。行こう、レイナ」


「うん!」


 バカめ! そんなの僕以外の誰かにやらせればいいだけだ! って、あれ? 僕は今、何を考えていたんだろう。うーん、まあ、思い出せないってことはどうでもいいことなんだろう。

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