地獄の沙汰は私たち次第!!
黒いテントの中にはテントの中を照らしている電球以外何もなかった。
「おい」
「何ですか?」
「今までの顧客リストとか女性の胸から取った皮下脂肪はどこにあるんだ?」
「それは私のここにあります」
やつはニコニコ笑いながら自分の頭を指差す。
「そうか。お前はいろんなものを頭に収納できるんだな」
「いいえ、頭だけではありません。私の体はもちろん別の次元、別の時間軸にも収納できます」
変な名前のくせに妙にスペック高い能力持ってるな。
「そうか。じゃあ、ここはいったい何をするところなんだ?」
「それはですね……手術をするところです!!」
やつが指をパチンと鳴らすと電球がふっと消える。その後、僕たちはやつと共にやつの空間に吸い込まれてしまった。
「ふっふっふっふっふ……。では、まずあなた方二人のその貧相な胸を大きくするところから始めましょうか」
くそ! 暗いし、この空間常に不安定だし、霊力を探知しようとすると何かに妨害される!! これじゃあ、童子とレイナの居場所すら分からない!! いったいどうすればいいんだ!!
僕が現状打破するために頭をフル回転させていると僕の体内にいるアレが目を覚ました。
「ねえ、雅人ー。ここ、どこー?」
「おー、雷獣の雷波じゃないか! 久しぶりだな!!」
「うん、久しぶりー。それより、ここ暗くない? ちょっと明るくしていい?」
「ああ、いいぞ! やってくれ!!」
「分かったー。えーい!!」
僕の体から黄色っぽい光が出始める。
「雷波! もっと……もっとだ!!」
「分かったー。それー!!」
「な、なぜあなたの体内に雷獣がいるのですか!? あー! まぶしい!!」
「お前は僕たちが黒いテントに入る前、こう言ったな。格上の言うことには逆らわないと。どうだ? 僕はお前より格下か? それとも格上か?」
「く、くそー! こうなったら……霊力解放! 『実力反転』!!」
こいつ、自分と僕の実力を反転させたか。けど、その対象を僕だけにしたのは判断ミスだ!!
「甘い! やれ! 童子!! レイナ!!」
「はい! 私の文字の力『拘束』と」
「私の女王の力『精神攻撃』を合わせる!」
『合技! 【地獄の沙汰は私たち次第】!!』
「う、うわああああああああああああああああああああ!!」




