幼馴染の連絡先
夜……暁闇の空箱の中……。
「おっ、来たか」
メガネをかけている青髪の少年が僕の目の前で静止する。ふむ、こいつはさっきの赤髪のやつよりおとなしいな。
「こんばんは。えーっと、君は僕に何をしてほしいのかな?」
僕がそう言うと彼はいきなり頭を下げる。
「お願いします! 僕の母を元に戻してください!!」
「あー、えーっと、とりあえず頭を上げてくれ。話はそれからだ」
「は、はい、分かりました」
彼の話によるとどうも彼の母親は僕のファンらしい。まあ、それは別に悪いことではないのだが、僕の写真を集めるために必死になっているらしい。
「そうか……暇さえあれば僕の写真探しをして時間を無駄にしているのか。なんというか熱狂的なファンというか、狂信者だな」
「そうなんです! どうにかしてください! このままでは母はいつか壊れてしまいます!!」
「うーん、そうだなー。じゃあ、こうしよう。今から君に僕の幼馴染の連絡先を教えるから何かあればそいつに連絡してくれ」
僕が彼にやつの連絡先が書かれたメモを渡すと彼は僕にこんな質問をした。
「わ、分かりました。それでその幼馴染というのは」
「やろうと思えば、今すぐ世界中の監視カメラや生き物の視界を真っ暗にできる妖怪だよ」
「あっ、はい、分かりました。では、失礼します」
「おう。あっ、そうそう、向こうに帰ったら緑のやつ呼んでくれ」
「はい、分かりました。ではでは」
ふむ、赤いやつとの差が激しいな。さて、緑のやつはどうかなー。




