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お兄ちゃん、私を信じて。お願い

 今日、座敷童子の童子わらこから教わった文字は……。


「お兄ちゃん! 全身マッサージしてー!!」


 僕が自室の扉を開けると僕の部屋のベッドの上に夏樹なつき(僕の実の妹)がいた。


「あー、そういえばそんな約束してたな。うーん、でも、今日中に今さっき覚えた文字を何かで実験したいんだよなー」


「文字? それってもしかして童子わらこちゃんが使ってるやつのこと?」


「ああ、そうだ」


「そっかー。ちなみに今日はどんな文字使えるようになったのー?」


「漢数字の『いち』と漢数字の『(れい)』と十干じっかんの一つ『おつ』だ」


「ん? 漢数字のゼロって雨冠と命令の『れい』じゃないの?」


「まあ、そうだな。けど、円を書くだけの漢数字もあるらしいぞ」


「へえ、そうなんだー。ということは『いち』と『(れい)』で有と無を具現化できるんだね」


「まあ、そうなるな」


「そっかー。なんか強そうだねー。というか、それマッサージに使えそうだねー。特に無の方」


「え? あー、たしかに疲労を消せるのはいいな」


 うまく活用すれば、この世の疲労をなくせるけどそんなことしたら仕事を失う人がいるからやめておこう。というか、やろうと思えばこの世を無にできるんだよな? あれ? なんか僕、とんでもない力使えるようになってないか?


「ねえねえ、お兄ちゃん」


「ん? なんだ?」


「それ、私に使ってみない?」


「えーっと、それってもしかして全身マッサージに使うってことか?」


「うん!」


「いや、でも、実の妹を実験体にするのはちょっと……」


「大丈夫だよ、私妖怪寄りの人間だから」


「それはまあ、そうだけど……」


「お兄ちゃん、私を信じて。お願い」


 夏樹なつきは僕の顔をじっと見つめている。夏樹なつきはきっと僕を信用してくれている。でも、僕はお前が思ってるほどすごくない。うーん、でも、実の妹のお願いを断るわけにはいかないからなー。


「……分かった。やるよ」


「やったー! じゃあ、さっそく服脱ぐねー」


「いや、別に脱がなくていいぞ。エステじゃないから」


「そうなの? じゃあ、このまま横になるね」


「ああ、頼む」


 もしものことがあったら後戻りできなくなるからな。


「お兄ちゃん! ベッドに横になったよ! いつでもいいよー」


「ああ、分かった」


 よし、じゃあ、やるか。

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