表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1022/1940

後輩とデートと空島

 僕が自教室にある自分の席に座ると『下北しもきた 紗良さら』がやってきた。


「おはようございます! 先輩!!」


「えっと、君は誰だ?」


「ちょ、先輩私のこと覚えてないんですか? ほら、私の頭に生えてるこの猫耳がチャームポイントのー」


「あー、下北しもきた 紗良さらか」


「はい! そうです! 下北しもきた 紗良さらです!」


「それで? 君は何しに来たんだ?」


「あー、その、えーっと……夏樹なつきちゃんと仲良くなるにはどうすればいいのかなーと思いまして」


「ん? ちょっと待て。もしかして夏樹なつきのこと好きなのか?」


 僕がそう言うと彼女は赤面しながらそれを否定した。


「ち、違います! 私、そんなんじゃありません! 私はただ、夏樹なつきちゃんとの仲を深めたいだけです!!」


「本当か?」


「本当です! 信じてください!!」


「……分かった。信じるよ。それで? どれくらい親密になりたいんだ?」


「え? あー、そうですねー。て、手をつなげるくらいの関係になりたいです!!」


「え? それって恋人なんじゃ……」


「違います! 友達です!! 決して夏樹なつきちゃんにあんなことやこんなことをしたいだなんて考えてません!」


「そうか。じゃあ、今週の土曜日、どこか遊びに行こうか」


「はい! 喜んで!!」


「いい返事だな。話は変わるが、君は元彼と付き合ってる時、デートしたことあるか?」


「バカにしないでください! ちゃんとしてますよ! 三回くらい!!」


 少ないな……。うーん、でも、そんなものかな?


「そうか。それで? どこでデートしたんだ?」


「えーっと、動物園と水族館と遊園地です」


「分かった。えーっと、元彼と別れた理由はたしか」


「私を性欲のけ口にしようとしたからです!!」


「そうだったな。よし、じゃあ、今度の土曜日、遊園地に招待するからそこで思い切り楽しんできてくれ」


「分かりました……って、今の言い方だとまるで先輩がその遊園地の関係者みたいじゃないですか!!」


「あれ? 言ってなかったか? 人造妖怪たちが作った空島にはいろんな施設があって、その中の一つが遊園地なんだよ。で、僕はその子たちの保護者みたいなものだから、その子たちにお願いすればいつでも貸切にできるんだよ」


「は、初耳です……。というか、先輩の命令一つで世界征服できそうですね」


「……そうだな」


「ちょ! なんですか! 今のは! まさか、本当に世界征服するつもりじゃないですよね!?」


「人類がこの星を終わらせようとしたら、僕たちは全力でそれを阻止するよ」


「は、はぁ……」


「そんなことより早くデートプランを考えないといけないぞ。なあ、朝、何時に集合すればいい?」


「うーん、そうですねー。じゃあ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ