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へえ、そうなの……って、む、娘!?

 僕は今、今日初めて会った女の子と一緒にお風呂に入っている。


「……ねえ」


「なんだ?」


「あんた、恥ずかしくないの?」


「え? あー、えーっと、妹とかに何度も見られてるから別に恥ずかしくないな」


 妹とか?


「へえ、じゃあ、女の子の裸体も見慣れてるの?」


「うーん、どうだろう。でも、見ない日はほぼないな。少し前に娘が数人生まれたから」


「へえ、そうなの……って、む、娘!?」


 彼女は娘という単語に反応し、その場で勢いよく立ち上がった。そこが湯船だということを忘れてしまうくらい彼女にとってそれはあまりにも衝撃的だった。まあ、僕が勝手にそう思っているだけだが。


「あ、あんた、高校生よね!!」


「ああ、高校二年生だ」


「はぁ……まさか同級生がすでに子持ちだったなんて……。というか、あんたさっき娘が数人いるって言ってたわよね?」


「ああ、言ったな」


「ってことはその……ふ、複数の女性と……シたってこと?」


「シてないよ。僕はまだ童貞だよ」


「でも、子どもがいるのよね?」


「ああ、そうだ。うーん、なんて説明すればいいかなー。僕の霊力または血と女性側の霊力等を結合させたことで生まれた存在って言えば分かるかな?」


「それって体外受精ってこと?」


「うーん、まあ、それに近いかな」


「あっ、そう。あんた、その年で父親なのね。はぁ……あんたって本当に変わってるわね」


「そうかな?」


「そうよ」


「……あー、えーっと、そろそろ湯船に浸かった方がいいぞ。その、いろいろ見えてるから」


「……え? ……っ!!」


 彼女は赤面しながら湯船に肩まで浸かった。


「……見た?」


「……まあ、少し」


「……どう、だった?」


「え?」


「私の体、見たんでしょ? 感想聞かせてよ」


「うーんと……いろいろ頑張ってるのは分かる……けど」


「けど? 何よ」


「腹部にある脂肪を少し落とした方がいいと思う……以上」


「分かったわ。で? それ以外は?」


「それ以外ってなんだ?」


「いや、だからその……よ、良かった点とかないの?」


「それは……」


「それは?」


「体を洗い終わってから言うから少し待っててくれ」


「それって良かった点が一つもなかったから架空の良かった点を思いつくのに必要な時間が欲しいってこと?」


「いや、違う。良かった点をまとめるのに必要な時間が欲しいだけだ」


「あっ、そう。なら、いいわ。あっ、できれば私が逆上のぼせる前にまとめなさいよ」


「ああ、分かった」


 はぁ……こいつといるとなんか調子狂うわね。


「なあ」


「何よ」


「君は今の自分に何が必要なのか分かるか?」


「分かってたら今朝みたいなことにはならないわよ」


「そうだな。けれど、君は薄々それが何なのか見当がついているんじゃないか?」


「あんたはいったい何が言いたいの?」


「実は僕の助力なんて必要ないんじゃないか、と僕は言いたいんだよ」


「そんなことないわよ。だから、私が安定するまでそばにいなさい。これは命令よ」


「命令、か。分かった。そうするよ。あっ、湯船に浸かってもいいか?」


「だ、ダメに決まってるでしょ! 私が出るまでそこでおとなしくしてなさい!!」


「え? じゃあ、良かった点はいつ言えばいいんだ?」


「そんなの私の部屋で言えばいいでしょ!!」


「分かった。じゃあ、そうするよ」


 はぁ……まったく、もう……。


「なあ」


「何!!」


「早く出てくれないか? 体が冷えちゃうから」


「あー、はいはい、分かりました。ごめんなさいね、長湯しちゃって」


「いや、別にいいよ。君がそれで安定するのなら僕はいつまでも君のそばでおとなしくしてるよ」


 ……っ!! こ、こいつ!!


「あんたってたまにいいこと言うわよね」


「そうか? 僕は特に意識してないんだが」


「はぁ……あんたにかれるの気持ちが少し分かったような気がするわ。じゃあ、私先に出るから。あっ、それと私が自室に行くまで湯船から出ちゃダメよ! 分かった?」


「分かった」


「よろしい。じゃあ、ごゆっくり」


「おう」

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