キャンディ(お菓子の妖精)にホットケーキを食べさせると……
キャンディ(お菓子の妖精)に僕と夏樹(僕の実の妹)が作ったホットケーキを食べさせると体が溶けてホットケーキの生地みたいになった。僕、なんか変なもの入れたかなー?
「あー、私今すっごく幸せだよー。こんなにおいしいホットケーキ食べたことないよー」
「へえ、そんなにおいしかったのか。夏樹が手伝ってくれておかげかな?」
「わ、私は卵割ったり生地混ぜたりしただけだよー! そんなので味は変わらないよー!」
「いや、卵を平らなところで割ってたし、ちゃんと全身を使って混ぜてたし、それに……」
「そ、それに?」
「その……愛情込めてたから……おいしくなったんじゃないかなー」
「そ、そう、なのかな?」
「きっとそうだと思うぞ、うん」
「そっかー。そうだと嬉しいなー」
あー、眩しい。この一途な思いはまさしく愛だよー。でも、これは兄妹愛というより異性に対する愛だねー。あー、なんか頭がくらくらしてきたー。
「おい、キャンディ。大丈夫か? 体真っ赤だぞ?」
「あー、大丈夫大丈夫。少し休めば良くなるからー」
「そうか。なら、いいんだが」
そんなキャンディの体をじーっと見つめているのは最近うちにやってきたレイナ(白髪ロングの幼女だが宇宙人である)だ。
「どうしたんだ? レイナ」
「お兄さんたちは本当に面白いね」
「面白い? どこがだ?」
「目の前で明らかに異常な現象が起きてるのに不思議だなーとしか思ってないところがとっても面白いよ」
「そうなのか?」
「うん、そうだよ。ねえ、お兄さん。私にもホットケーキの作り方教えて」
「ああ、いいぞ。じゃあ、まず手を洗おうか」
「分かった」
彼女はそう言うと僕の手を握った。
「えーっと、手くらい一人で洗えると思うのだが」
「私がケガしてもいいの?」
「手を洗いに行ってケガするなんてことあるのかなー?」
「子ども、かくれんぼ、洗濯機……」
「あー、はいはい、分かりやすい例えありがとう。それじゃあ、行こうか」
「うん!」
いい返事だなー。まあ、まだまだ謎が多いけど。




